今日は久々の床屋さん。
前に髪を切りに行ったのはたしか3月。
ずいぶん伸びた。
もともと床屋さんがあまり好きではないので、なかなか髪を切りには行かないんだけど、暑さには勝てず短くサッパリすることにした。
まず、1時間近くおとなしく座ってるのが嫌いだ。
あと、髭を剃ってもらうのも緊張して落ち着かなくて嫌いだし、髪の毛が入らないように首にいろいろ巻かれるのも嫌い。
仰向けにアタマを洗うのも嫌いだし、いろいろ聞かれて答えるのも面倒。
隣のお客さんのテンションが高いのもイラッとするし、そもそも髪を切りに行くのが面倒になってくる。
それでも20年以上の付き合いになる床屋さんを知ってから、ちょっと髪を切るのが好きになった。
床屋さんというか、そのお店のおばちゃんなら、なぜか安心する。
床屋嫌いなおっさんでも大丈夫な貴重な人なのだ。
はじめて店に行ったのは20代前半。
床屋嫌いなおっさんは当時流行のロン毛で、キムタクも江口も長瀬君もみんなロン毛の時代。
流行にのっていたわけではない、床屋が嫌いなだけだった。
夜の街を歩けばチーマーと間違われ、パチンコ屋では単発の当たりでもレディースラッキーの旗を立てられ2箱出せるサービス付き。
おかまバーでは、お店の子よりキレイって褒められ、ツヤツヤのストレートを見ていつも女の子にトリートメントは何を使っているか聞かれた。
それでも頑なに床屋も美容院も拒んでいたが、なぜかふらっとおばちゃんの店に入ってしまった。
吸い寄せられた。
当時では珍しい予約のお店だったけど、たまたま空いてて気付けば椅子に座ってカットされてた。
耳を出すくらい短くなって、真ん中分け。
えっ誰?ってなったけど、その日はお店が暇だったのか髪を切るのに2時間以上もかまってくれて、前ならどっと疲れて床屋から帰るのに、なぜかこのおばちゃんの床屋さんでは苦痛ではなかった。
2か月もするとまた髪が伸び、またおばちゃんに会いに行きたくなった。
つぎは「お任せ」でお願いしてみた。
やってみたかったパーマがあるからって言われ、好きにしてもらった。
真夏の花火のような、でっかいアタマが完成した。
家に帰ると、嫁も子どもたちも誰?ってなったけど、おかんと並ぶと「あ〜」ってなった。
いまでは、パーマをかける髪が何処かへ行ってしまったが、乾かし方でふさふさに見える技を伝授してもらったり、分け方でごまかせるんだよって教えてもらったりした。
いろいろ悩みも聞いてくれるし、ダメなことはダメって怒ってもくれる。
なぜかおばちゃんの言うことは、スッと腹に入る。
たっぷり溜まったストレスもなぜか解消されて帰ってくる。
不思議なピンクのおばちゃんが好きで、年に数回は床屋に行くことが出来るようになった。
いつまでも元気で店を開けててくれると喜びます。
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