先日、新聞の広告欄に「重松清」の新刊のお知らせが載っていた。
「きみの町で」(新潮文庫)
いつも「重松清」の文庫本が出るとすぐ本屋さんへ向かってしまう。
なんか、見覚えのあるタイトル??
って思って調べてみたら、やっぱ本屋でパラパラしたよ。
読み始めたら、嫁さんが呼びに来て、そっと棚に返した本。
自分の中で、いつか買うリストに入れたのだけど、あとから出版された文庫本に先に手を出した。
ソフトカバーの単行本。はじめ重松さんの絵本?って思ったから記憶にある。
この本、子ども向けの哲学の本「こども哲学」のおまけのお話を集めたもの。
そして、震災のお話の「あの町で」をあわせた、一編ずつが短いお話。
でも、どの話も中身はぎゅーっと詰まってていろいろ考えさせられる。
小学生の高学年くらいなら自分で読めると思うし、大人が読んでもいろいろ投げかけてくる。
ちょうど、いま自分に欲しかった本が、文庫本となってまた目の前に現れた。
どうしたらいいのかわからなくて、ずっと悩んでいた。
自分は自分でいいんかなって、この年になって自分なりの答えらしきものを見つけて腹に入った。
「のちに作家になったSのお話」
まさに悩んでたことまんま。
本って不思議で、たまたま手に取った本から答えをもらうことがよくある。
もともとは「こども哲学 自由ってなに?」というテーマの付録のお話。
おまえを苦しめてきたものから解放されて、永遠の「自由」を手に入れたのか?
のちに作家になったSのお話「きみの町で」重松清
でも、それは、すごく悲しい「自由」なんじゃないのか?
悲しい「自由」の使い方の例を、彼の残した子どもたちに伝えなくてはいけない。
きっと、それが自分の仕事なんだとあらためて思った。
時にはいろんな「不自由」が窮屈だったり、うっとうしかったり、文句をつけたくなったりするかもしれないけれど・・・・・・どうか、生きることを嫌いにならないで。
のちに作家になったSのお話「きみの町で」重松清
そして、これも伝えないと。
ありがとう、重松さん。
ちょっと気持ちが楽になった。
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